こぼれ落ちる記憶
『アリスのままで』という映画がある。
言語学者である50歳のアリスは徐々に記憶が途切れていくのを感じる。
いくつかの検査の結果、「若年性アルツハイマー」と診断され
それまでのキャリア、母親としての役割、日常生活、
そして自分自身を失くしていくのである。こぼれ落ちる記憶。
その恐怖はいかばかりか。
母も日々 多くのことを忘れていく。
できないことがどんどん増えていく。
そういえば何カ月か前に「自分は自分でなくなっていく。」と
言っていたことがあった。
へろりんは そのこぼれ落ちていく記憶のスピードについていけないので
つい昨日と同じことができると思ってしまうのだ。
・・・つまり 「きょう」が常に一番良い状態。
その「きょう」の貴重さに気づかないで過ごすことだけは
避けたいけれど。